スパイファミリーは遠藤達哉先生原作で、少年ジャンププラスで連載中のコミックです。累計発行部数3100万部を超えてアニメのシーズン2も予定されているスパイファミリーはこれからもさらに伸びることが予想されます。
そんなスパイファミリーの単行本では、キャラクターと一緒に実在する有名な椅子が描かれており話題になっています。そこで今回はスパイファミリーの表紙を飾るキャラクターと椅子について紹介していきます。
- なぜ椅子?どんな意味があるの?
- 本物は美術館などで座ることができる!
- 1巻ロイド:「LC2」
- 2巻アーニャ:「マシュマロチェア」
- 3巻ヨル:「ラ・シェーズ」
- 4巻ボンド:「ボールチェア」
- 5巻ユーリ:「バルセロナチェア」
- 6巻フィオナ:「ハートコンチェア」
- 7巻ダミアン:「ウィローチェア」
- 8巻フランキー:「イームズラウンジチェア」
- 9巻ベッキー:「ココナッツチェア」
- 10巻:少年時代のロイド
- 11巻 ユーインとエミール「ヒルハウスチェア」(ラダーバックチェア)
- 12巻 シルヴィア(ハンドラー):ダイアモンドチェア
- 13巻 カミラ・ミリー・シャロン:チューリップチェア
- 14巻 ヘンダーソン先生:フランクロイドライト ロビーチェア
- 椅子のガチャガチャはどこにある?
- ガチャガチャが見つからない場合
- 読むならぜひ単行本で!
- 最後に
なぜ椅子?どんな意味があるの?
スパイファミリーは1960~70年代頃の東西ドイツをモデルにしています。
そのため作者の遠藤先生が作品の時代感を出す為に、レトロなアイテムを表紙に置けないかなと考え、登場人物を名作チェアに座らせることを思いついたからだそうなんです。
また、椅子のデザインや製作エピソードがキャラクターのシンボルになっているのではないかともかんがえられており、遠藤先生がそれぞれのキャラクターに似合う椅子を選んだというだけあって、人物との相性もばっちりです。
椅子のほかにも椅子の下や後ろには、そのキャラクターたちが隠しているものが描かれており、キャラクターの立場や内面を表しています。
6巻の夜帳を見ればわかりやすく、おそらくロイドへのハートのプレゼントやナイフの刺さったヨルの写真などが見て取れます。
7巻のダミアンの椅子の後ろに隠されたように置いてあるおもちゃなど、椅子以外の小物にも注目してみるのも面白いかもしれません。
本物は美術館などで座ることができる!
表紙を飾る椅子たちはどれも名作で、映画に登場したり美術館に永久保存されていたりする高く評価されたものばかりです。
正規版では100万円近くするものも珍しくない為、購入することはなかなか難しいですよね。
美術品としても価値を認められた名作椅子は、世界中の様々な美術館で実際に見物することができます。
日本においては、第1巻でロイドが座るLC2は東京都上野の国立西洋美術館で実物に座ることができます。
国立西洋美術館の基本設計を手掛けたのがル・コルビュジエだからです。
その他にも埼玉県立近代美術館にはマシュマロソファの色違い、広島県尾道市立美術館にはラシェーズやボールチェア・イームズラウンジチェアが所蔵されており、リプロダクトではない本物を見学することができます。
ただ実際に座れるかどうかは美術館ごとによって異なる場合があるので、事前に確認しておくようにしましょう。
1巻ロイド:「LC2」
LC2は20世紀を代表する建築家:ル・コルビュジェの作品で、スチームパイプと座面、そして3つの四角いクッションというシンプルな構成です。
簡単な構成にもかかわらず、合理性とデザインの良さを両立しており、スタイリッシュで無駄のない様はまさにロイドにぴったりの椅子です。
アニメ版ではフォージャー家のリビングにも置かれていました。
2巻アーニャ:「マシュマロチェア」
マシュマロチェアは、ハーマンミラー社のデザインディレクター:ジョージネルソンによってデザインされたものです。もともとはコストダウンを目的に作られたものの意外と手間がかかってしまい、一時は生産中止となってしまいました。
しかし、根強い人気により再度同社によって復活したマシュマロチェアは、誕生から60年以上たった今でも高い人気を博しています。カラフルでポップなデザインのかわいらしい外観はアーニャにぴったりの椅子です。
3巻ヨル:「ラ・シェーズ」
ラ・シェーズは、シェルチェアやイームズチェアで有名なイームズ夫妻が美術館のローコスト家具デザインコンペの際に発表した作品です。
この椅子のデザインに大きな影響を与えたといわれる芸術家ガストン・ラシェーズの彫刻「フローティングフィギア」は、女性らしさ溢れる曲線美で、柔らかさや母のような優しさが表現されています。
そんな彫刻から着想を得て、ふわふわとした雲のようなデザインになったこの椅子はまさにヨルにぴったりの椅子です。
4巻ボンド:「ボールチェア」
フィンランドのデザイナーであるエーロ・アールニオ氏によってデザインをされた彼のデビュー作でもある椅子です。宇宙船の中の椅子のような特徴的なデザインは、数多くのSF映画や航空会社のファーストクラスのロビーなどで使用されています。
大きくて白く、丸いデザインはどこかボンドに似通っており、球体をくり抜いたような近未来的なフォルムは未来を予知できる彼にぴったりです。
5巻ユーリ:「バルセロナチェア」
バルセロナチェアは、ドイツ出身の建築家ミース・ファン・デル・ローエが1929年のバルセロナ万博にて、当時のスペイン国王夫妻を迎えるためにデザインされました。
別名「王の椅子」とも呼ばれ、古来では力の象徴であったハサミをモチーフとした美しい曲線を描く脚部と、シンプルで無駄のないデザインが特徴です。
デザイナーのテーマでもある合理性と機能性を追求したモデルでもあり、国家保安局に勤め、若く有能なユーリにぴったりの椅子です。
6巻フィオナ:「ハートコンチェア」
デンマーク出身のデザイナー:ヴァーナー・パントンの作品であり、名前の通りハートがデザインのかわいらしい椅子です。
大きなハートはロイドへの強すぎる愛とマッチし、よくある丸みを帯びた形のハートではなく、シャープでスタイリッシュな形をしたこの椅子はフィオナにぴったりです。
7巻ダミアン:「ウィローチェア」
スコットランドの建築家:チャールズ・レニー・マッキントッシュによってティールームを設計する際に作られました。背の高い格子状の背もたれと座面の下の収納スペースが特徴で、実際に支配人が注文を取りまとめるために使用していたそうです。
半円状の綺麗な背もたれは、衝立を兼ねたティールーム内の美しいインテリアとしても機能し、単なる椅子としてだけではなく衝立・インテリアとしても使うことができるようにしたマッキントッシュの思慮の深さが伺えます。
自身の背丈より大きく描かれている背もたれは、ダミアンのプライドの高さを表す様で、素直になれず父親やアーニャへの思いを秘めている彼にぴったりの椅子です。
椅子の大きさとダミアンの身の丈が不釣り合いですが、自分を大きく見せたいとか、器にまだ足りていない幼さが出ていて気に入っています。椅子の後ろには遊びたくても我慢してる気持ちを隠してます。
8巻フランキー:「イームズラウンジチェア」
3巻のヨルが座っている椅子と同じイームズ夫妻によってデザインされた作品で、プライウッド(薄くスライスした木材を積み重ねて接着した合板)とふかふかなレザークッションが特徴です。
プライウッドとレザーを組み合わせたデザインは、今でこそ一般的なものですが、発表された1950年代当時は誰も見たことがない新鮮なものでした。夫妻自らが長い年月をかけて合板を成型する技術を開発していて、様々な発明品でロイドを支えたりするフランキーにぴったりの椅子です。
9巻ベッキー:「ココナッツチェア」
2巻のアーニャが座っている椅子と同じジョージネルソンによってデザインされ、割れたココナッツのような形をしていることから名前が付けられました。
快適さを保ちながら椅子の上で自由に身動きすることができるので、表紙のベッキーのように寝転んだり、のけぞったりしてくつろぐことができます。天真爛漫に物語を彩る、自由気ままなお嬢様のベッキーにぴったりの椅子です。
10巻:少年時代のロイド
10巻の表紙は椅子ではなく瓦礫の上に座る少年が描かれています。
この巻ではロイドの少年時代、なぜ彼が一流スパイの黄昏になったのか、その原点が描かれています。
これまでとは違うシリアスな展開が続くので、内容とすごくマッチしています。
11巻 ユーインとエミール「ヒルハウスチェア」(ラダーバックチェア)
11巻の表紙に描かれたのはユーインとエミール。ダミアンを慕っていつも一緒にいる2人組です。
2人が座っているのは、ヒルハウスチェア。別名ラダーバックチェアとも呼ばれ、その名の通り、はしごのように高い背もたれが特徴です。
7巻のダミアンが座っていたウィローチェアと同じチャールズ・レニー・マッキントッシュによって製作されました。
いつも一緒にいる3人ですので、デザイナーを合わせたのはいい演出ですね。
12巻 シルヴィア(ハンドラー):ダイアモンドチェア
12巻の表紙はシルヴィアことハンドラー。
ロイドが所属する組織:WISEの管理官で、 一分の隙も見せないその様から「鋼鉄の淑女」という異名を持っています。
そんな彼女が座るのはダイヤモンドチェア。
彫刻家のハリー・ベルトイアによって製作され、美しい曲線と幾何学的な文様が特徴の近代的なフォルムの椅子です。
異なる長さのフレームを3次元に折り曲げ、ダイヤモンド型に固定されており、作者自身が「空気と鋼の彫刻である」というほど軽やかでありながらもスタイリッシュな仕上がりになっています。
13巻 カミラ・ミリー・シャロン:チューリップチェア
カミラ・ミリー・シャロンの3人は、ヨルが働く市役所の事務員です。
そんな彼女たちが座る椅子は、フィンランドの建築家:エーロ・サーリネンによってデザインされたチューリップチェアです。
一本の脚と花弁のような美しい曲線を描く背もたれからその名前が付けられました。
一本脚で自立するデザインの椅子は、当時椅子といえば4本脚が当たり前であった常識を覆した画期的な物でした。
部屋にあるだけで上品な空間を生み出し、その場の雰囲気を明るくするインテリアです。
14巻 ヘンダーソン先生:フランクロイドライト ロビーチェア
背もたれの高いデザインは空間に対する仕切りになるように考えられました。
とてもスタイリッシュなフォルムでデザイナーズチェアの代表となっています。
旧帝国ホテルなどを手掛け、彼の作品は、自然の一部であるかのような、調和のとれた美しいデザインが特徴です。
椅子のガチャガチャはどこにある?
SNSで話題となったミニチュア名作椅子のガチャガチャ。
正式名称は「1/24 デザイナーズチェア コレクション」といい株式会社トイズキャビンさんより発売されている製品です。
しかし、ガチャガチャの在庫や入荷状況って店舗にも聞けませんし、むずかしいですよね。
そこでトイズキャビンさんの筐体が多く納入されている場所のリストをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
またリストにある店舗だけではなく、筐体は全国のガチャガチャコーナーで展開されているので、いろいろなところを探してみてください。
ガチャガチャが見つからない場合
とはいえ、地域によってはガチャガチャ自体の設置数が少なく、見つからないこともあるかもしれません。
そんな時はAmazonなどのショッピングサイトで購入することも可能です。
送料で割高になったりガチャガチャする楽しみはなくなってしまいますが、手軽に全種類コンプリートすることができます。
どうしても見つからない場合は一つの手です。
読むならぜひ単行本で!
スパイファミリーはぜひ単行本で読むことをお勧めします。今回紹介した椅子たちも単行本の表紙ですし、カバー裏のおまけマンガや書き下ろしの番外編等は単行本でしか見ることができません。
最近では電子書籍でも単行本のカバー裏を見ることができるものが増えてきましたが、栞やラバーストラップ等のオリジナルグッズが欲しい方には紙の本がおすすめです。
最後に
2023年にはアニメのシーズン2も予定されている本作。
物語を楽しんだ後は遠藤先生の表紙へのこだわり、なぜこのキャラクターと椅子を選んだか等を考えてみるとより楽しむことができます。
コメント