世界中で大ヒットした超人気ドラマ「ゲームオブスローンズ」。
その前日譚に当たる物語「ハウスオブドラゴン」がドラマ化されたので、物語に沿って徹底解説していきます。
導入
物語はターガリエン王朝の一世紀目が終わる頃、当時の王ジェセアリースが自身の後継者を選ぶためハレンホールで大表議会を開くところからはじまります。
ハレンホールは前作「ゲーム・オブ・スローンズ」の約300年前、つまり本作「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の約100年前に、エイゴン・ターガリエン一世とその愛竜バレリオンによって焼かれているので、この頃もすでに廃墟ですね。
候補者は王の子孫で最年長の女性レイニスとその従弟で男子として最年長のヴィセーリスの2人まで絞られています。
そして男子優先の法則によりヴィセーリスが王位の継承者となりました。
暗転
「ハウスオブドラゴン」は字幕で語られているように前作の主要人物:デナーリスの誕生から172年も前の物語です。
ドラゴンが出てくるファンタジー作品とはいえ人間の寿命は変わらないので、前作と共通するのは家名や地名のみで人物はご先祖のみです
王都上空
そして開始数分で飛び交うドラゴン!!
前作一話目ではドラゴンのドの字もなく、ようやく生まれてもシーズンを重ねるまでは幼体で成竜となり空を飛ぶにはだいぶ時間がかかりましたが、本作はドラゴンを操るターガリエン家の最盛期を描く物語なのでいきなりドラゴンが飛び交います!!
王都キングズランディングの上空から王城レッドキープの映像が映し出されドラゴンが悠然と着地します。
「ゲーム・オブ・スローンズ」最終シーズンではデナーリスによって崩壊したレッドキープがまだ栄えているのでなんだか新鮮ですね。ゲームオブスローンズの世界に帰ってきたという感じにさせてくれます。
ヴァリリア語
ドラゴンを諌める世話係たちが謎の言葉を発していますが、これはヴァリリア語と呼ばれるものです。
ターガリエン家は元々別の大陸(東のエッソス大陸)からウェスタロス(本作の舞台となるイギリスっぽい島)にやってきた一族でヴァリリア語はそこで使われていた言葉です。
日常会話ではもう殆ど使われていませんが、ドラゴンへの命令や貴族たちの間で学習と教育の言語として使用されており、作中で多くの文学や歌曲がヴァリリア語で制作されています。
ドスラク語と同様にゲームオブスローンズ製作にあたり実際の言語学者が作り出し、シリーズが人気になるとともにDuolingoのコースが作られたり、熱心なファンはこの言葉を使って詩を書いたりしました。
主人公登場
話を戻して、このドラゴン:シアラックスから降りてきた女の子が本作ハウスオブドラゴンの主要人物レイニラです。
ここで一つ目のややこしいポイント。
レイニス:冒頭のハレンホールにて男子優先の掟により後継者になれなかった人。
レイニラ:本作「ハウスオブドラゴン」の主要人物
そして彼女を馬車から出迎えた女の子がアリセントハイタワー。後にヴィセーリスの後妻となり息子のエイゴンと翠装派を率いてレイニラとウェスタロスの王位を争うことになる人物です。
しかし、この時はまだ二人とも友人。アリセントのトレードマークとなる緑色の衣装ではなく水色のドレスを着ています。
城内の状況
馬車に乗り城帰ると、王妃エイマの出産が近づいていることがわかります。
レイニラはお産がエイマから子をなすことこそ王女の務めと言われますが、どこか憮然な様子です。
場面は変わって会議のシーン。
エッソス大陸西部にある自由都市が三頭市という同盟を組み、ウェスタロスとの間にある踏み石諸島にある海賊を退治しているそうです。
そのことに対しヴェラリオン家当主コアリーズは三頭市を野放しにしておくと海路が絶たれるので危険だと警告しますが一蹴されてしまいました。
ヴィセーリスは待望の我が子の誕生とそれを祝う槍試合に夢中な様です。
王座に座るデイモン
そんな中王弟デイモンも帰ってきており、不遜にも鉄の玉座に座りながらレイニラを迎えます。
デイモンがなぜこんな態度かというと、ウェスタロスの相続法では基本的に男子優先であるからです。
王の唯一の子レイニラは女で、王妃エイマが産む子がもし女子であればデイモンが世継ぎになる可能性が大きく高まります。
ヴィセーリス王も男子という理由でレイニスに優先して太子となったためデイモンは相当自信を持っています。
レイニラとアリセント
場面はまた変わりレイニラとアリセント。
アリセントがレイニラに膝枕しており。二人の親密さが伺えます。
原作ではアリセントはレイニラの9才年上の継母であり、親密な関係ではありません。
ドラマでは少女時代の二人を同年代の親友とし、その後の関係悪化を強調しています。
鉄の玉座
ヴィセーリス王が背中の怪我を治療られているシーン。
玉座に座った時傷つけたと言っていましたが、やっぱりあの椅子カッコいいけど座りにくいだろうなぁと思っていましたがそれ以上でした。
ちなみにゲームオブスローンズが放映されていた頃の東京コミコンで実際に座れるセットが展示されていました。また機会があればぜひ行きたいですね。
ヴィセーリスとエイマ
エイマ王妃がぬるま湯に浸かるシーン。
ヴィセーリスは男子が生まれてくると信じて止みませんが、王妃は心配な様子です。
現代であれば、モラハラにでもなりそうなヴィセーリスの言動ですが、時代や王である地位を考えるとそれもやむなく彼なりにエイマを深く愛していることが伝わるシーンです。
槍試合と出産
王子の出産を祈る槍試合
試合と同時にエイマ王妃の出産が描かれ、所謂男の戦いと女の戦いが対比して描かれます。
しかし、エイマ王妃は出産の影響で亡くなってしまい待望の王子も数時間後息を引き取ってしまいました。
王子の葬儀
エイマ王妃と王子の葬儀はドラゴンによる火葬が行われ、ターガリエン家がドラゴンと共に生きてきた一族であることが描かれています。
王子が死産となった事で議会では後継者をどうするのかという問題について話し合われており、デイモンがこっそりとその様子を覗いています。
男子であるが乱暴で問題のあるデイモンか王の長子であるが少女のレイニラで意見が割れますが、ヴィセーリスはとても後継者を決めることができるような状態にありません。
デイモンの追放(一度目)
その後デイモンが娼館にて死産した王子の事を1日限りの世継ぎと揶揄した事がヴィセーリスの耳に入りデイモンは王都を追放されます。
どうしてだ、デイモン‥。ヴィセーリスが会議でお前を庇っていたのをみてただろうに‥
そしてオットーは七王国中で一番美しいと言われる自分の娘アリセントを王の寝室へと向かわせます。
結局何も起こりませんでしたが、オットーは確実に何か企んでいますよね。
レイニラが後継者に
そしてバレリオンの遺骸の前でヴィセーリスがレイニラに氷と炎の歌の話をしてレイニラを自身の後継者とし、ドラゴンがいななく声で第一話が終了します。
最後にオープニング用のBGMが流れたのも「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズが帰ってきたことを知らせてくれるいい演出でした。
衝撃的な展開で終わった「ゲーム・オブ・スローンズ」の第一話とは打って変わって、静かながらも様々な伏線がちりばめられ今後の激しい戦いを予感させる第一話でした。
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