どうしても食欲が落ちてしまう夏。そんな中でもおいしく食べられるのがそうめんです。
そして、そうめんといえば揖保乃糸(いぼのいと)!素麺において全国シェア40%を占める1大ブランドです。
そんな揖保乃糸ですが、実は小麦粉の質や原材料・麺の細さ・製造時期などの違いによって、厳正なランク分けが行われています。
今回は揖保乃糸の等級について詳しく解説していきます。
揖保乃糸とは
揖保乃糸は兵庫県揖保川周辺の流域で生産されている手延そうめんです。
清流・揖保川の水と厳選された小麦粉、そして赤穗の塩を原料に職人たちが丹精込めて作り上げた名品で、好条件に恵まれ600年前から始まった素麺づくりは、現在もその伝統製法を生かして多くの人から人気を得ています。
揖保乃糸のランク
基本的に、麺の細さと製造期間の短さが等級に比例していきます。
麺を細くしていくのには高い技術が必要ですし、そうめんは気温と湿度が低くなり、生地を熟成させるのに適している寒い時期に作られるほど美味くなるといわれるからです。
太づくり
北海道産小麦「きたほなみ」を使用し、太麺にすることによってもちもちとした食感と心地の良い端切れを作り出しています。
上級(赤帯)
普段スーパーなどでよく見かける揖保乃糸のそうめんです。
この赤帯の上級は全生産量のおよそ80%を占める主力商品で、これだけで他のそうめんとは格別の美味しさがあります。
熟成麵(金帯)
揖保乃糸の職人技の伝承を目的に誕生したそうめんで、国家資格である製麺技能士が作り上げている逸品です。
製造後1年間専用倉庫でゆっくりと熟成させ、コシと風味をさらに良くしています。
播州小麦(深緑)
名前のとおり、兵庫県の播州地方で作られた小麦を使っているのが特徴のそうめんです。
粘りの強い「ふくほのか」と、弾力性のある「ゆめちから」をブレンドすることで、小麦粉のうま味を強く味わうことができます。
縒つむぎ(紅紫)
縒つむぎは、国内産小麦だけを使用したそうめんです。程よい弾力ともちもちとした食感、ツルっとしたのど越しの良さが特徴です。
特急(黒)
熟練製造者のみが、上質な小麦粉を使って厳寒期(12月~翌2月)の3カ月に作る、2番目に等級の高いそうめんです。
縒つむぎよりもさらに細く、一番贈答品に用いられる製品です。
三神(白紙)
そしてこれこそが最上ランク。マツコデラックスも唸った揖保乃糸の最高級品です。
厳選された小麦粉を使用しており、手延素麺協同組合が選抜した熟練の製造者にしか作れません。
製造時期が12月下旬〜翌2月上旬と特級よりもさらに短く、麺も髪の毛6本分の細さです。
製造量も非常に少なく、1束ずつ帯ではなく紙で包装されています。
極細にもかかわらず1本1本が切れることなくしっかりとコシがあり、小麦粉本来の風味を味わうことができる最高級品にふさわしい一品です。
用語解説
厄(やく)
厄とはそうめんを専用の倉庫で寝かせ、酵素の力によってそうめん内の脂質を変化させ、熟成させる過程を言います。
古(ひね)
ひねとは、管理された専用の倉庫で1年間熟成(厄)されたそうめんのことです。
高温・多湿の梅雨時期に小麦粉内に含まれる酵素がそうめん内の脂質が変化させることによって、でんぷんややタンパク質に影響を与え、そうめんのコシや舌触りが更によくなるといわれています。
※その年に出荷されるものは新(しん)と呼ばれ、さらにもう1年寝かせたものを大古(おおひね)といいます。
保存期間と保存場所
そうめんは乾麺なので、長期保存に優れ非常食としても使うことができます。
しかし、保存方法によってはカビや虫が出てきてしまうため、保存するときには高温多湿を避け直射日光の当たらない乾燥した場所を選びましょう。
ジップロックなどの密閉容器を使うと尚良いです。また、香りが移りやすい食べ物なので、シンクの下等で洗剤と一緒に保管することは避けるべきです。
ダイエットにも使えるそうめん
素麺は食べ方を工夫すればダイエットにも使うことができます。
そうめんは小麦を原料しており炭水化物を多く含んでいる食品で、他の麺類と比較しても、カロリーも糖質も少ないとはいえません。
ですが、白米と比べてみるとカロリーは比較的低いので、置き換えることによって摂取カロリーを抑えることができます。
また、白米のように炊く必要がない為手軽で、つゆを変えたりすだちやトマト等の低カロリー食品を加えることで簡単に味変ができるので長く続けることができます。
最後に
素麺は食欲が出ない熱い時期に最適な食材です。普段よく口にするものなので奮発して味を比べてみたり、お世話になった方への贈答品としてご一考ください。
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