ドラマ版「The Last of Us」のゲーム版との違いについて解説

映画・ドラマ

「The Last of Us」はもともとPS3専用タイトルとして2013年に発売されたサバイバルアクションゲームで、全世界で200以上のゲームアワードを受賞した作品です。

2023年そんな人気シリーズがドラマ化され、大好評のままシーズン1が終了しました。

今回はそんな「The Last of Us」のゲーム版とドラマ版の違いについて解説していきます。

サラの描写が増えてる

ゲーム版「The Last of Us」は夜遅くからスタートしますが、ドラマ版では事件が起きる日の朝から物語がスタートします。

サラ視点でのジョエルとの日々や隣の老夫婦とコミュニケーションを取る姿が描かれており、ジョエルやサラの日常が垣間みることができます。

また、3人で感染者から逃げる際に乗った車には退役軍人のステッカーが貼られており、ゲーム版ではわからなかったジョエルやトミーの高い戦闘能力の裏付けがされています。

寄生菌の広がり方

第1話の冒頭から本作の重要な要素である寄生菌についての深堀があり、第2話では真菌学者に聞き取りするという形で感染初期のジャカルタの様子が語られます。

原作では感染の原因や発生源はあまり語られませんでしたが、ドラマ版では小麦粉から感染が広がったことが明言されているほか、寄生菌についての設定が深く描かれています。

ビルとフランク

ジョエルの密売仲間で人間嫌いだったビル。

ゲーム版では多数のトラップを仕掛けた街で一人住んでおり、車が必要になったジョエルとエリーを助けてくれました。

しかしドラマ版ではなんとビルと2人が会うことはありません。

代わりにビルの視点でジョエルやテスとの出会い・そしてパートナーのフランクとの日々が描かれており、ゲーム版とは異なる結末を迎えます。

約75分間ビルの完全新作スピンオフストーリーといっても過言ではなく、良い映画1本みたような気分になります。

ゲームではジョエルやエリーという操作キャラクターがいなければ物語を進めることが難しかったですが、視点を移すことでサブキャラクターであるビルを深堀し、ドラマならではの演出で高い評価を得ています。

サムとヘンリーが追われていたわけ

2人か旅の途中で出会う生存者の兄弟。

ゲーム版では彼らがなぜ放浪していたかはあまり語られていませんでしたが、ドラマでは彼らが追われる理由や抜けてきたコミュニティ・そしてドラマオリジナルキャラクターのキャスリンとの攻防が描かれます。

エリーがジョエルと出会う前

ドラマ版第7話はなんとゲーム版DLC作品を丸々映像化!

ゲーム版ではエリーがジョエルと出会う前の話はDLC作品である「Left Behind -残されたもの-」を購入しないとあまり語られませんでした。

ドラマ版ではエリーの昔の生活ぶりとゲームでは描かれなかったFEDRAの幹部というエリーの全く真逆のIFの可能性が示唆されていました。

そしてかつての友人ライリーとの関係や初めて抗体があると分かったショッピングモールでの出来事が描かれており、第3話に続いて評価の高い回になっています。

意外な人物の出演

ジョエルが昏倒している間にエリーが出会うことになるコミュニティの指揮を執る猟奇的なリーダー・デビット。

彼の右腕を務めるジェームズを演じているのが、ゲーム版でジョエルの声とモーションキャプチャーを演じたトロイ・ベイカーです。

意外な人物の意外なところでの本人出演に、ゲーム版を英語でプレイした人には予想外のうれしい驚きがありました。

エリーの抗体の秘密

ゲームではなぜエリーが抗体を持っているのかは明確に語られませんでした。

ドラマ版ではエリーの母アンナが出てきて、エリーの出生の秘密となぜ抗体を得るに至ったかが描かれます。

ゲーム版では登場せず名前のみ言及されていましたが、ここでアンナを演じているのはアシュレー・ジョンソンで原作ではエリーの声を演じた人物です。

ドラマ版で登場を果たすことになりましたが、ゲーム版ジョエル役のトロイ・ベイカーにつづいて原作ファンにとってはうれしいサプライズとなりました。

小ネタ:なんとキリンは本物!

第9話に登場する原作でも印象的であったキリンと触れ合うシーン。

なんとキリンはCGではなく実物で、背景がCG。

名前はナボくんで、少しづつ撮影環境に慣らしていきながらとったシーンだそうです。

最後に

単にゲームをなぞるだけでなく、サブキャラクターにスポットライトを当て深堀する演出で設定を上手に深く掘り下げ、ゲームを既にプレイした方でも楽しめるよう工夫されていました。

またメイキングでも言われていた通り、「ゲームと無縁の人はこの物語に決して出会わない。そんな人たちに向けて作った」とアクションゲームが苦手な方も楽しむことができる万人におすすめできるドラマです。

追記:メイキングもおすすめ

メイキングでは感染が進行していく様子を5段階で解説されていたり、クリッカーの声オーディションの様子、感染者役の人たちが撮影の合図を図ったりするコミカルな場面等が見られるためぜひご覧ください。

ドラマ版「The Last of Us」シーズン2などについて解説した記事はこちら:

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