コーデックとは?種類による音質や遅延について解説

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無線イヤホンは、再生機器からイヤホン本体まで電波を使ってデータを送信します。しかし、電波に乗せることができるデータ量には限りがあるためデータを圧縮する必要があります。

この圧縮する方式をコーデックといい、ワイヤレスイヤホンの音質と音の遅延に深くかかわってきます。今回はそんなコーデックの種類について解説していきます。

用語解説

コーデック………データを圧縮/復元する方式

ビットレート………データの通信速度。数値が大きければ大きいほど音の遅延が少なく、高音質の データを送信することができます。

コーデックの種類

SBC

ほぼすべてのワイヤレスイヤホンがこのコーデックに対応しています。接続の安定性が高く音が途切れにくいですが、音質やビットレートが低く遅延が発生しやすいコーデックです。

高音質で音楽を聴くことや映画鑑賞は映像と音声がズレて聞こえる可能性があるためお勧めできません。

AAC

iPhone等のiOS機器に使われるコーデック。

SBCよりも高音質・低遅延でノイズも少ないのが特徴です。Apple製品と接続するには必須のコーデックです。

aptX

Androidで主に使用されるコーデックです。CD音源相当の音質でAACよりも高音質・低遅延。

Bluetooth環境でもCDと同じ音質で音楽を楽しむことができます。iPhoneには対応していません。

aptX LL

aptXとほぼ同等のCD音源相当の音質でaptXよりさらに遅延が少ないコーデックです。

LLとは、Low Latency(低遅延)の略で、音楽ゲームができるほど遅延が少なく、ゲームや映画を視聴する際に本領を発揮します。

aptX HD

SBC,AAC,aptXを上回る高音質が特徴のコーデックで、ビットレートはaptXの約1.5倍・ハイレゾ相当の高音質再生が可能ですが遅延についてはAACと同程度です。     

LDAC

ソニーが開発した高音質コーデック。ハイレゾオーディオに対応しているが、SBCよりも遅延が発生してしまいます。

コーデックが異なる場合

 各コーデックの能力を正しく機能させるためには、イヤホンが対応しているコーデックと再生機器のコーデックが合致している必要があります。

 しかし、SBCは対応コーデックに記載がなくても対応している標準のコーデックなので、コーデックが異なっていてもイヤホンを使用することが可能です。

 高音質で音楽を楽しむためには再生機器とイヤホンの両方が高音質なコーデックに対応している必要があります。

どちらかがに対応していないと下位互換であるSBC(またはaptX等)に自動的に変換されて普通の音質になってしまうので注意が必要です。

まとめ

SBC………ほぼすべてのワイヤレスイヤホンが対応している基本的なコーデック。

AAC………iPhone等のiOS機器で使われるApple製品と接続するには必須のコーデック。

aptX………Android機器で使われるCD音源相当の高音質なコーデック。AACより遅延も少ない。

aptX LL………CD音源相当の音質でaptXより遅延が少ない為、唯一音楽ゲームでも使用可能。

aptX HD………ハイレゾ相当の高音質。遅延についてはAACと同程度。

LDAC………ハイレゾ対応しているが、遅延はSBCと同程度。

 コーデックは種類によって音質や音の遅延に大きく変化があります。

 ご自身の再生機器や音楽・動画の視聴・ゲーム等、イヤホンの用途によって最適なコーデックを選んで、無線イヤホン選びに役立ててください。

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